株式会社3.C GRACE |SDGs Each Together|SDGsへの取り組みを“個々から互いのものに”できたらいいな!をコンセプトに、SDGsを経営に活かす企業を支援するものです。

これが我が社のSDGs

お知らせ
 

デザインの力で「木の文化」を育む

株式会社3.C GRACE

2022年8月18日

株式会社3.C GRACE
日本人にとって最も欠かせない資源といえば、木材ではないでしょうか。私たちは古くから様々なかたちで木材を利用し、生活や文化を築いてきました。建材や家具、生活雑貨など、今も多くの木材に囲まれています。その一つ一つが一本の木から生まれるわけですが、建材や木工品になるまでにどれぐらいのウッドチップが出て、捨てられているかはあまり知られていません。丸太1本から実際に利用される木材は一部であることが多く、大量のウッドチップが産業廃棄物として処理されています。その処理方法には堆肥化などもありますが、約25%は単純焼却または埋立(※環境省「木くずの現状について」2013)です。環境負荷が大きいうえ、木材加工業者にとっては産業廃棄物の処理にかかるコストが高く、経営を圧迫しています。それにより伝統産業が立ち行かないケースも見られます。今後も日本の豊かな「木の文化」を持続していくためには、ウッドチップの問題は避けて通れません。その課題解決のひとつの方法として、株式会社3.C GRACE(ミックグレイス)が立ち上げたブランドが「itsuki(いつき)」です。ウッドチップを廃棄するのではなく、デザインの力で新たに活用しよう。そんな考えからウッドチップを魅力的な商品に変え、私たちが「木の文化」をより楽しめるような提案を行っています。
  • つくる責任 つかう責任
  • 気候変動に具体的な対策を
  • 陸の豊かさも守ろう
  • パートナーシップで目標を達成しよう
  • ウッドチップを<br>廃棄するのではなく、リユ―スへ

    ウッドチップを
    廃棄するのではなく、リユ―スへ

    itsukiのオンラインショップを訪ねると、素敵なインテリ小物や雑貨に目が惹かれます。いずれも木そのものの形や手触りを活かした商品。シンプルでありながら、木の良さをもっとも感じられるデザインが、女性を中心に少しずつ話題になっています。

    ぜひオンラインショップ https://itsuki-wood.stores.jp/ をご覧になってください。

    代表取締役の長谷川さんは「これらすべてが産業廃棄物として廃棄予定だった国産材です。ヒノキなどの高級木材であっても形状や商品企画などの様々な理由から廃棄せざるを得ませんでした。それらをデザインによって生まれ変わらせ、再利用できるようにしたいと思い、itsukiをはじめました」と話します。

    長谷川さんは アパレルシューズのOEM受託会社において長年営業職を務め、2021年2月に独立し3.C GRACEを設立しました。前職での経験をもとにアパレルシューズのOEM事業を展開する一方で、前職で一緒に働いていたグラフィックデザイナーや以前から知り合いだったWebデザイナーを誘い、デザイン事業をスタート。ブランド設計や商品企画、Webサイト構築など、デザインによって顧客の価値創造をサポートしています。
    そんな長谷川さんが会社設立とともに「挑戦したい」と思っていたのが、ウッドチップのリユースでした。

    「私の実家は、曾祖父の代から国産木材の加工業を営んでいて、小さいころから木材加工の現場に親しんできました。そこで気になっていたのが、ウッドチップの多さ。用途や商品に応じてウッドチップが出ることは仕方がないのですが、どうにかならないかとずっと思っていました。ある時、ヒノキの木片を入浴剤にした商品を知り、ウッドチップにもいろんな使い道の可能性があることに気づいたんです」。

    ウッドチップに新たな価値を創造していく。それはまさに長谷川さんが大切にしているデザインの考えと一致するもの。社員全員で話し合いを重ねてitsukiを構想し、オンライン販売を開始しました。ウッドチップの仕入れと加工は実家の木材加工会社、商品企画から撮影、販売、発送までは3.C GRACE。BtoCの実績はなかったが、長谷川さんは躊躇なくチャレンジしました。

社会・環境・ビジネスへの影響

■ウッドチップを再利用することで、環境負荷を低減
■木材加工業者の廃棄コストを無くし、新たな事業を創出
■木の味わいを大切にするブランドコンセプトを広げ、「木の文化」のさらなる発展を

社会・環境・ビジネスへの影響

itsukiの特徴は、天然のかたちが生かされたデザインです。そこには、木そのもの魅力を身近に感じ、日本人が長年育んできた「木の文化」を楽しんでほしいという想いが込められています。そのブランドコンセプトが女性を中心に共感を生み、少しずつファンが増えています。現在は自社サイトのみで、大型のモールサイトなどに出店していないのにも関わらず、新規購入者も増えているといいます。
「特にプレゼントとして喜ばれることが多いのですが、『めっちゃ素敵』『デザインがいい』という言葉を多くいただけて、すごく励みになっています。また、リユースという考え方に共感いただけることも嬉しいです」と長谷川さん。

一方、木材加工の現場でも好意的に迎えられています。
「父にブランドの構想を話すと、ウッドチップを廃棄しないことにすごく喜んでもらいました。職人気質なので、商品のデザインに対してはよくわからない感じでしたが、加工にはとても協力的です」。

さらに、itsukiは他の事業にも相乗効果が生まれています。
「ブランド設計やWebサイト制作では『BtoCをやってみたい』というお客様も多かったのですが、実績が少なかったため手探りの状態が続いていました。しかし、itsukiの立ち上げによって自らBtoCを経験しノウハウを培うことで、より良い提案ができるようになってきました」。

SDGsへの取り組みは、ひとつの領域だけでなく、その影響は多方面に広がっていくもの。itsukiはスタートしたばかりで、まだ小さな事業ですが、その可能性はとても大きいといえます。木材加工業者と消費者をむすぶ新たなきっかけとして、さらに「木の文化」を育んでいくに違いありません。

  • 森を守るための仕組みを<br>つくっていく

    森を守るための仕組みを
    つくっていく

    長谷川さんは、itsukiを立ち上げたことで自分の視野がぐっと広がったと言います。
    「SDGsへの意識が高まるとともに、環境問題から木材産業、消費者意識まで今まで見えていなかったことに目が向くようになりました。それによって、自分たちの事業を今後どのように展開していくべきかについて俯瞰的に考えられるようになったと感じています。ウッドチップを廃棄せずにリユースする。さらにそれをどのように発展させたら環境や木材産業がもっと良い方向にいくのか。その仕組みを考えていきたいです」。

    現在、構想しているのがitsukiの売上の一部で植林を実施する計画です。植林を支援しているNPO法人と協力し、itsukiを購入すれば植林につながる仕組みをつくろうとしています。
    「新たな展開を考えていくと同時に、itsukiの知名度を上げ、さらに共感していただける方を増やすために、ブランドの発信やより良い商品づくりにも力を入れていきたいです」と長谷川さん。

    itsukiの素材であるヒノキやケヤキ、トガ、サクラなどは日本人にとって身近で、太古から私たちの生活の中にありました。ヒノキのように消臭・抗菌・防虫効果もあれば、木そのものにはリラックス効果があり、日本人の心を支えてくれたのも「木」といえるかもしれません。itsukiは、国産材はもちろん、そこから生まれた文化や生活を未来へ受け継でいくものだと感じました。

  • VOICE

    VOICE

    SDGsに取り組む
    きっかけづくりをお手伝いしたい


    SDGsに取り組もうと思い立っても、自社にリソースがない、何をしていいかわからないという声はよく聞きます。私たちは、そうしたSDGsのきっかけづくりも支援していきたいと考えています。 itsukiに協賛いただくことで、事業サイクルに入っていただくなど、協業の形を模索しています。SDGsは社内外の色々なリソースがつながり、達成されていくものです。多くの方とパートナーシップを築き、ウッドチップの再利用を盛り上げていきたいです。

  • 株式会社3.C GRACE
  • 企業概要

    会社名 株式会社3.C GRACE
    事業内容 ファッション雑貨のOEMや、Webサイトや各種広報物の企画・デザインなど、培ったマーケティングとデザインを掛け合わし、クライアントに新たな価値を創出している。
    所在地 〒550-0012大阪府大阪市西区立売堀4-1-17-4F
    電話番号 06-6616-9457
    FAX番号
    ホームページ https://3c-grace.com/