大阪故鉄株式会社 |SDGs Each Together|SDGsへの取り組みを“個々から互いのものに”できたらいいな!をコンセプトに、SDGsを経営に活かす企業を支援するものです。

これが我が社のSDGs

お知らせ
 

「鉄」リサイクルでめざす、環境への貢献

大阪故鉄株式会社

2022年1月31日

大阪故鉄株式会社
大阪故鉄株式会社は、1946年の創業以来、一貫して「鉄」のリサイクル事業を続けています。廃材となった鉄を買い取り、独自のルートも駆使しながら製鋼メーカーへと販売。鉄スクラップに特化した経営を行っています。鉄のリサイクルという事業それ自体が環境への貢献になっているという自負から、環境に優しい事業であることを以前から発信しています。こうした事業の特色は、SDGsの考え方とも自然に通じ合うようになります。2020年から、SDGsへの取り組みを開始。現在ではカーボンニュートラルへの対応を実践し、二酸化炭素の大幅な削減を実現しています。社内環境の改善や向上にも積極的に取り組み、環境にも人にも優しい会社づくりを推進。段階的な取り組みを計画し、実践しています。
  • 貧困をなくそう
  • エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 働きがいも経済成長も
  • つくる責任 つかう責任
  • 気候変動に具体的な対策を
  • パートナーシップで目標を達成しよう
  • 鉄のリサイクルを通して、<br>地球環境に貢献する

    鉄のリサイクルを通して、
    地球環境に貢献する

    鉄は、ほぼ100%リサイクルできる資源です。自動車をはじめとする工業製品の製造工場や、老朽化した建築物から出た大量の鉄は、製鐵所で溶かされて新たな製品へ生まれ変わり、再び私たちの手元へと巡ってきます。

    大阪故鉄株式会社では、こうした流れの中の、鉄の買い取りや選別・加工、製鋼メーカーへの納入までを担っています。鉄スクラップの取扱量は、大阪南港に近い本社工場と大阪市内・奈良・京都へのアクセスの良い大東市の諸福工場のふたつの自社工場で扱っているものに加え、鉄スクラップ業でも数少ない製鋼メーカーへの販売力の強さを活かした商社機能での取り扱いを含めて年間27万トンほど。一般家庭の方が廃材を持ち込みされることも多く、1日平均でも3~4件ほどの問い合わせがあるそうです。「リサイクルしてほしいという気持ちに応えるために、そうした方も大切に取引をしています」と代表取締役の矢追さん。鉄スクラップの買い取り・販売だけでなく、解体事業や産業廃棄物の中間処理なども行っており、幅広い手法で資源リサイクルに貢献しています。

社会・環境・ビジネスへの影響

■製鋼におけるカーボンニュートラルへの取り組み
■変化する鉄スクラップ需要への対応
■二酸化炭素の排出量削減による、地球環境への貢献

社会・環境・ビジネスへの影響

鉄鋼業界の現状について「昨今は、カーボンニュートラルの実現に向けて鉄スクラップ自体が大きく注目を浴びています。そのチャンスを逃さないように、営業や販売方法を工夫するなど、二酸化炭素排出およびカーボンニュートラルを意識した経営戦略を策定し、実践しています」と話す矢追さん。

国内の二酸化炭素排出量は製造業が全産業の約40%を占め、その内の約14%が鉄鋼業界から発生しています。二酸化炭素などの排出量削減をめざす「カーボンニュートラル」の実現に向け、近年では製鋼メーカーも二酸化炭素の排出について強く意識するようになりました。製鋼メーカーには主に、鉄鉱石から鉄を精製する高炉メーカー、鉄スクラップから鉄を精製する電気炉メーカーがあります。石炭を多く使用する高炉メーカーは、鉄スクラップを使う電気炉メーカーに比べて、実に4倍もの二酸化炭素を排出。業界全体での対応が急務です。

高炉メーカーでは、二酸化炭素の排出削減のため、鉄鉱石の比率を減らして鉄スクラップを増やす取り組みや、高炉法から電気炉法への転換が活発です。しかし、これまで鉄スクラップはあまり使われていなかったこともあり、鉄スクラップに求める品質はとても高いことがネックになっていました。そこで、大阪故鉄株式会社では鉄に含まれる様々な成分を分析する機材を導入するなどし、一定基準の成分数値をクリアした高品質の製品を安定供給出来る体制を実現しました。

一方で、これまでは姫路や名古屋、山口、九州などの取引先への運搬に自動車を使用していましたが、二酸化炭素排出の点からこちらも見直しを行いました。運搬用トラックなど自動車を使うと二酸化炭素が多く排出されるため、現在は港に鉄を集荷し、船舶を使って遠隔地に運ぶように。運搬手段のモーダルシフト化により、二酸化炭素排出量の大幅な削減を可能にしました。工場内で使用する重機やフォークリフト構内車の燃料も、地球環境にやさしいGTLという燃料に変更。これにより燃焼時の二酸化炭素の排出量が軽油対比で8.6%ほど削減されるため、従来と同じ量の仕事をしても排出量が増えることはありません。重機等からの排煙も、外から見て分かるほど減少されています。

「急速に鉄スクラップの需要が高まるなか、その需要の受け皿となる事業形態や環境を用意することで、社会の大きな流れの中にうまくマッチしていきたいです」と矢追さんは話します。

  • 中小企業として、<br>できることを重ねていく

    中小企業として、
    できることを重ねていく

    鉄スクラップ事業が環境に貢献している自負もあり、SDGsへの行動も自然に考えるようになりました。2019年に構想をスタートし、2020年から本格的に取り組みを開始。2030年を見据え、SDGsの考え方への意識づくりから始めて、方法や目標を見直しながらゴールの達成まで一歩ずつ着実に進めていくプランを設定しました。

    「30名ほどの規模の会社ですが、全社員に対して意識を持ってもらうのは難しい。そこで、まずは既存の業務を大きく変えずに、材料や仕入れ先などの変化による効果を実感してもらうことにしました」。また、矢追さんは、社員に自分のふだんの行動や活動が、SDGsとどうかかわっているか見つめ直す機会も設けることにしました。たとえば、エコバッグの活用や自動車移動を自転車に変えるといった活動が、SDGsの実現にどうつながるかを考えてもらっていると言います。「石油会社を通して重機の燃料もすべてGTLに入れ替えましたが、そのような場面を社員も目の当たりにします。会社として環境に対して取り組んでいる姿勢は、強くアピールできていると思います」。SDGsの実現に向けた足掛かりとして、積極的な意識づけを続けています。

    また、福利厚生や就業環境の充実による、社員が働きやすい環境づくりも重視。BCP(事業継続計画)の策定や、ISO認証、中央労働災害防止協会をはじめとする第三者機関からの認定取得にも力を入れ、取引先からも安心感を持ってもらえる会社づくりを進めています。認定への取り組みはSDGsと関連付けたものとなり、すべてチェックできるような体制を整備。「SDGsは、第三者機関からのチェックがあるわけでもないので、取り組みが分かりづらいという面があります。会社のシステムとして完全に組み込んでしまうことで、業務に携わりながら、SDGsへの意識を育てられるようにしました」と、認定とSDGsを結びつけた理由を話します。

    異常気象の原因の一端と考えられる二酸化炭素。中小企業としてその削減について考え、未来に向けてできることから始めた矢追さん。SDGsについて、「とても面白く、やりがいのある取り組みだと思います」と話します。鉄スクラップの事業に対しては、「注目をあまり浴びることがなく、働きも目に見えにくいですが、環境にはとても貢献しています。ですから、もう少し私たちの仕事について知ってほしい。そうすれば、働いている社員も自分の仕事にもっと誇りを持てるようになります」という思いも。人と環境に貢献する活動を進めながら、製鋼業界全体の発展もめざします。

  • VOICE

    VOICE

    わたしたちの取り組みは、SDGsに興味を持ったことをきっかけに「とにかく始めてみよう!」という思いからスタートしました。

    まずは、あまり難しく考えずに、日々行っている身近な業務がSDGsにどうつながるのか、ゆっくり考える時間を取ってみてください。関連する本などを読んで調べてみてもいいかもしれません。そして、SDGsのために行動したいと感じたら、小さなことからでも取り組みを始めてみましょう。

    今後、SDGsの取り組みを周囲にもっと知ってもらうことで、さまざまな提案を求められるかもしれません。人と環境にやさしい企業として、さらなる発展に向けて模索を続けていきます。

  • 大阪故鉄株式会社
  • 企業概要

    会社名 大阪故鉄株式会社
    事業内容 1946年創業。鉄スクラップのリサイクルを行う。製鋼業界におけるカーボンニュートラルの実現に向け、仕入れや運搬方法を見直し、人と環境への貢献を推進している。
    所在地 〒559-0026 大阪府大阪市住之江区平林北1丁目2番22号
    電話番号 06-6681-5761
    FAX番号 06-6681-5766
    ホームページ https://kotetsu.co.jp/