有限会社ウチノ |SDGs Each Together|SDGsへの取り組みを“個々から互いのものに”できたらいいな!をコンセプトに、SDGsを経営に活かす企業を支援するものです。

これが我が社のSDGs

お知らせ
 

ひとり親家庭に、
おいしい「日本のおそうざい」を届けるために

有限会社ウチノ

2022年5月31日

有限会社ウチノ
現在、日本の子どもの約7人に1人が相対的貧困と呼ばれる状態にあります。 相対的貧困とは、対象が所属する国や地域などの水準と比較して、貧しい状態にあることを指します。 日本では死につながってしまうような絶対的貧困はほぼ解決されていますが、貧困が存在しなくなったわけではありません。 「みんなが当たり前のように体験・所有できるもの・ことが、自分にはできない」ということは、社会の中で生きる上でさまざまな障害を生み出しますし、子どもの発育に対して身体面・精神面ともに大きな悪影響を及ぼしてしまいます。 冒頭のとおり、日本では多くの子どもたちが相対的貧困下にありますが、ひとり親家庭では約2人に1人と割合が特に大きく、深刻な状態となっています。 有限会社ウチノでは、そのようなひとり親家庭の子どもたちに対して、「食」の面から支える取り組みが行われています。この取り組みは、兵庫県の経営革新計画に承認され、国連P.R.I.D.E 日本アワード「SDGs推進ベスト企業賞」も受賞しています。
  • 貧困をなくそう
  • 飢餓をゼロに
  • すべての人に健康と福祉を
  • パートナーシップで目標を達成しよう
  • 「子どもを支える」という、企業の社会貢献に繋がるひとつのツールに

    uchipacがひとり親家庭に届く仕組み

    「子どもを支える」という、企業の社会貢献に繋がるひとつのツールに

    有限会社ウチノには、「常温保存でパック詰めされたお惣菜はおいしくない」という常識を覆すために開発された、「uchipac(ウチパク)」という商品があります。
    日本の家庭料理のおそうざいを30種類も用意しており、化学調味料・保存料・着色料などは使用されておらず、常温で1年7カ月もおいしさをキープしたまま保存が可能となっています。
    この「uchipac」をひとり親家庭に提供する活動を、NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンやさまざまな企業と共同で行っています。

    uchipacの支援プログラムでは、月額定額のサブスク型で参加企業から資金を募り、グッドネーバーズ・ジャパンを窓口として、uchipacをひとり親家庭に支給しています。
    参加企業へは寄付証明書が発行され、寄付金として控除を受けることが可能です。
    また、参加企業は自社が行った支援の成果を「2022年にはuchipacを何セット、いくつのひとり親家庭に配布した」といったように、数字として分かりやすく把握・発表できます。

    SDGsをはじめ、時代と消費者の意識の変化と共に、経済発展と社会的課題解決の両立が企業に求められるようになっています。しかし、既に行っているビジネスモデルとの組み合わせの問題などにより、なかなか新たな取り組みがしづらい企業も多々あります。
    uchipacの支援プログラムは、ひとり親家庭の食と健康を支えると共に、企業が社会的責任を果たすためのひとつのツールとして機能しています。
    また、参加企業に所属する従業員が、uchipacを割引価格で購入できるサービスも付随しています。忙しい毎日の中でも栄養豊富なおそうざいを簡単に食べられるuchipakuを、安く購入できるようにすることで、企業の福利厚生の充実に繋がっています。

  • 子どもたちが、だれかを支えられる大人に育ってほしいから

    食品メーカーとして、「おいしい」をどんな家庭でも体験できるように

    子どもたちが、だれかを支えられる大人に育ってほしいから

    この支援プログラムは、有限会社ウチノとNPO法人グッドネーバーズ・ジャパンとの出会いから始まりました。
    グッドネーバーズ・ジャパンは、国内のひとり親家庭に、さまざまなメーカーに提供してもらった食品を毎月支給する取り組みを行っています。しかし、管理面などの諸問題により常温品に限定しているため、集まる食品がお米・レトルト・インスタントラーメンなどに偏っている問題を抱えていました。
    そんな中、常温で1年7カ月保存でき、30種類もの豊富なおそうざいのラインナップがあるuchipacを製造・販売しているウチノに出会ったことで、レトルトやインスタントではない日本の家庭料理を、ひとり親家庭に届けられるようになりました。

    当初は「消費期限の切迫品や、煮崩れなどで通常販売できないものを提供してくれないか」という話だったそうですが、一般販売されている通常品を提供し、ウチノの事業として取り組んでいくこととなりました。
    その理由を、ウチノの代表である内野 年記さんが語ってくれました。

    「食品メーカーとして、『おいしいごはんを子どもたちに食べてほしい』という思いが、まずありました。B品ではなく、私たちが胸を張って『おいしい』と言える食品を届けなければ、子どもたちに『なんで自分だけ』という思いを抱かせてしまうのではないか、という懸念もありました。しかし、メーカーとしては、一般販売している商品を無償で提供し続けることはできません。そこで『寄付控除』という仕組みを活用して、SDGsの旗印のもとさまざまな企業を巻き込んでいく事業にしていけないかと考え、このプログラムをつくりました。私たちのuchipacで育った子どもたちが大人になった時、『自分と同じように、今度は自分がだれかを支えよう』と思ってもらえる取り組みにしていきたいです」

社会・環境・ビジネスへの影響

■貧困問題やSDGsへの気づきとアクションのきっかけに
■製造する中で発生してしまう食品ロスの削減
■さまざまな企業との繋がりが広がる

uchipacの支援プログラムは、企業の日本の貧困問題への気づきと、そのアクションのきっかけになっています。ウチノ代表の内野 年記さん自身も、このプログラムへの取り組みがきっかけで、日本の貧困問題の深刻さに気付くことができたと言います。
ウチノの食品ロスの削減にも繋がっています。製造工程でどうしても3%~5%のB品が発生してしまい、対処に悩まされていましたが、この取り組みをきっかけにさまざまな引き取り手に出会うことができ、無駄なく活用できるようになりました。
また、今までは消費者や卸売業者との関わりしかなかったそうですが、さまざまな企業との新たな繋がりも生まれています。「貧困」や「SDGs」という社会共通の問題に取り組むことで、どのようなサービスを行っている企業ともコミュニケーションができるようになり、自社商品の認知度向上や、新たなアイデアが生まれるきっかけになっています。

「おそうざい」をとおして人々と社会のニーズをカタチにする

「私たちにできることって、結局は『おそうざいづくり』なんです」と、代表の内野 年記さんは言います。

「『色んな常温のおそうざいを作ることができる』というのがウチノの強みで、突き詰めていえばそれだけなんです。毎日食べてもらえるおいしくて健康的なおそうざいを作るために、日々私たちはお客様の声を聞きながら試行錯誤しています。uchipacも、この支援プログラムも、お客様の声から生まれました。お客様の声にしっかりと向き合い、ニーズや困っていることを『おそうざい』を通して解決していくことが、私たちの目標であり、常に心掛けていることです」

そんなお客様の声から、新たな取り組みも生まれています。
災害時、被災者には弁当やパンなどが支給されていますが、被災者の中には糖尿病などにより食べるものに制限がある人も多くいます。そのような方々の緊急食としてはもちろん、食事制限がある人々が気軽に美味しいおそうざいを食べられるように、「健康」によりフォーカスをあてた商品の開発が進められています。

いろんなお客さんのニーズをカタチにして、社会に役立つ「おそうざい」を作る。それが企業としての成長や、SDGsの達成に繋がるとウチノは考えています。

VOICE

社会貢献をビジネスに組み込むことが、
これからの中小企業には必要不可欠

VOICE

SDGsのような社会貢献事業に取り組むということは、持続的に成長でき、安定的な収入を得られるという経営面でのメリットも大きくあります。時代の変化は加速し、先行きを想像することが困難になってきています。大企業もその変化に翻弄される中で、中小企業はより難しい状況にあると思います。SDGsなどの取り組みは、そのような変化を乗り越え、新たに成長するためのひとつの手段だと考えています。さまざまな企業と関わりながら、社会貢献を収益に繋げて、しっかりとビジネスの中に組み込んでいきたいです。

  • 有限会社ウチノ
  • 企業概要

    会社名 有限会社ウチノ
    事業内容 40年以上にわたって「おそうざい」の製造・販売を行っており、常温で1年7カ月の保存期間があるパック惣菜『uchipac』など、時代のニーズにあわせた商品を展開している。
    所在地 〒662-0942 兵庫県西宮市浜町13-2
    電話番号 0798-35-7824
    FAX番号 0798-38-8123
    ホームページ https://uchinoya.com/