SDGsコラム11/17「住み続けられるまちづくりを」
住み続けられるまちづくりとは
今回はSDGsの17の目標の11番目である「住み続けられるまちづくりを」に焦点を当ててお話ししていきます。
この目標では「包摂的で安全かつ強靱(レジエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する」のテーマのもとに取組みを行っています。
ここには、人が生活をするための基盤をつくっていくと同時に、今ある自然環境を守っていくための取組が求められています。
この目標が設定された背景には以下のような社会問題があります。
・都市部の人口集中
・環境汚染による問題
・エネルギー不足
・所得格差による治安問題
・自然災害による被害
現在世界の人口は78億7500万人(2021年)となっており、世界の人口の約55%が都市部で生活をしているとされています。そして都市部に暮らす人口は今後さらに増加すると言われており、開発途上国では特にその傾向が高くなっています。[i]
しかし、このような都市部への人口流入に対して、受け入れる都市部では流入してくる人口分の環境を整えることが必要となります。生活するための住居をはじめ、暮らしていくためのエネルギー、食糧供給や交通網の充足、人が活動することによっておこる自然環境への影響への対応や治安維持など、新たに必要となるものは多くあります。
こうした際に必要となる開発事業に際しては現在の自然環境への配慮も必要となります。
(自然環境への取組に関してはSDGs目標の6,7,13,14,15番についてもあわせてご覧ください)
都市部への人口流入は都市部だけの問題ではありません。
人口が増加する地域があれば、減少する地域もあるということです。
地方では人口流出によって過疎化が進行するケースが多くあります。
過疎化の問題は、労働力の減少や経済活動の停滞、自然環境の管理能力の低下など様々な問題に派生していきます。
つまりこの目標では、人口が増加していく都市部に対しての環境整備と、人口が減少する地方に対しての環境を維持していくための両方の取組が必要となります。