SDGsコラム12/17「つくる責任つかう責任」 |SDGs Each Together|SDGsへの取り組みを“個々から互いのものに”できたらいいな!をコンセプトに、SDGsを経営に活かす企業を支援するものです。

コラム

お知らせ

SDGsコラム12/17「つくる責任つかう責任」

カテゴリー:SDGs17の項目
SDGsコラム12/17「つくる責任つかう責任」

つくる責任つかう責任とは

今回はSDGsの17つの目標のうち、12番に該当する「つくる責任つかう責任」に焦点を当てて説明していこうと思います。

 

この目標では「持続可能な消費と生産のパターンを確保する」ということがテーマになっています。

 

突然ですが、世界中の人々がこのままの生活様式で生活し続けることが、どれだけ危険なことかご存じですか?

現在、世界の人口は約78億人ですが、あと30年もすれば約30%増の97億人まで上るとされています。

すると、今の生活様式のままでは地球が3つ分の食料やエネルギーが必要だと言われているのです。よって、地球で生き続けるためには、持続可能な消費と生産パターンの確保が必須になっています。

 

SDGsの目標には、目標毎に細かいターゲットが定められています。その中で、12番の目標のターゲットとして主に挙げられているのは次の4つです。

 

・天然資源を効率よく活用すること

・ゴミの量を減らすこと

・食品ロスを減らすこと

・持続可能な取り組みを進めること

 

この4つを見たとき、

「今はそんなに悪い状態なのか」と思うかもしれません。

ただ、データで見るとその結果は明らかになっています。

 

例えば、最も利用されている天然資源である石油の生産量は、2030年ごろをピークにその後は減少すると言われています。特に発展途上国で高まる需要量とのギャップが大きく広がり、石油の資源数は危機的状況に入ると予測されています。よって、資源枯渇の可能性を踏まえつつ、より効率の良いエネルギーの利用や、再生可能エネルギーへの転換が求められています。

また、経済成長に伴ってゴミの量もさらに増えていきます。世界の廃棄物発生量が2000年では約127億トンでしたが、2050年には約270億トンまで上ると予測され、これにより世界の生物多様性にも悪影響を与えると言われています。

食品ロスに関しても、世界で生産されている食品の約3分の1(13億トン)が処分されている現状をご存じでしょうか。しかもこれは日本でも、1年間で600万トン、つまり一人当たり約50キロもの食品が処分されており、日本も全く無視できない問題になっています。

 

このように、世界の現状を見ると、今のままではいけないということが実感できると思います。しかし、今の状況が厳しいと言ってもこの課題に対して、私たちがどこから手を付けていけばいいのか迷う方も多いのではないでしょうか。

そこで、この課題に対して企業でできる取り組み事例をご紹介したいと思います。

私たちにできること

私たちにできること

 

  • 3Rを意識し、業務に取り入れる

 

3Rとは、リデュース、リユース、リサイクルの3つのRの総称です。

この言葉は2000年から使われ始めたもので、今や知らない人はほとんどいないと思います。ただ、これを個人で使う言葉限定だと思い込んでいませんか?実は企業にも当てはめることができる言葉なのです。

 

リデュースは、製品をつくる際に使う資源の量を少なくすることや、廃棄物の発生を少なくすることを指し、耐久性の高い製品の提供や製品寿命延長のためのメンテナンス体制の工夫なども取組のひとつとなっています。

リユースは、使用済製品やその部品等を繰り返し使用することを指し、その実現を可能とする製品の提供、修理・診断技術の開発、リマニュファクチャリングなども取組のひとつとなっています。

リサイクルは、廃棄物等を原材料やエネルギー源として有効活用することを指し、その実現を可能とする製品設計、使用済製品の回収、リサイクル技術・装置の開発なども取組のひとつとなっています。

 

このように3Rにつながることは企業の中でもたくさん転がっています。まずは自社の業務工程を見直すことで、12番の目標につながる取り組みが見つかるかもしれません。

 

  • 環境配慮がされた電気を選ぶ

 

環境配慮がされた電気とは、バイオマスや太陽光などの再生可能エネルギーを使って作られた電気のことです。再生可能エネルギーは天然資源と違って枯渇することがなく、さらに二酸化炭素を排出することもないことも大きな特徴になっています。よって、天然資源の利用削減と地球温暖化の防止にも期待できます。

最近では、積極的に再生可能エネルギーを取り入れている電力会社も増えていることで、お得な料金設定で契約できることから、企業にとっては経費削減と環境配慮を同時に行える一石二鳥の選択になるかもしれません。

 

最後に

企業でできることを2つ紹介しましたが、12番の目標は、個人の意識で達成できることもたくさんあります。例えば、エコバックを使うことやご飯を残さず食べることなども、12番の目標につながる大切な行動になります。

したがって、他の目標に比べても個人の意識が大切な目標になっているので、身近でできることから生活様式を改善し、地球に生き続けるために自分のできることに取り組んでいきましょう。

 

出典

国際連合広報センター

https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/15775/

環境展望台

https://tenbou.nies.go.jp/learning/note/theme3_2.html

環境省

https://www.env.go.jp/council/34asia-univ/y340-01/mat04-2.pdf

3R推進協議会

https://www.3r-suishinkyogikai.jp/intro/3rs/

2022年1月24日
Writer:フォーバル関西支社